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生の聖なるコミュニケーション

 突然ですが、”ユマニチュード”を知っていますか?私は2年ほど前、高齢者の介護施設でのアロマケアを行ってきた夜に、たまたまNHKをつけたら「クローズアップ現代」がオンエアされていて、その番組で初めて知りました。 番組のHPはこちら ⇒ http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3464/1.html  ユマニチュードとは、フランスの研究者イヴ・ジネスト氏が考案した、認知症の人へのケアです。認知症の方を「見つめる」「話しかける」「触れる」「寝たきりにしない」ことで、怒りを表して大声をだしたり、動けなくて悪化するばかりの方たちが改善する、というものです。それを決められた方法で一定期間、一定のインターバルをもって行って結果を出していくそうです。  私がその日伺ったホームは、それ以降も毎年アロマをしにお邪魔しています。ご家族がご希望された方、おひとりおひとりに、個室でゆっくりと手浴・足浴の後、手や腕、肩、足をさすらせていただきます。ほとんどの方は重度の認知症で車椅子、初めての人とはコミュニケーションがほとんどできない、中には、気に入らないことがあるとすぐに大声を出す方、触られると強く振り払う方もいる、という情報を事前に伺っていたのですが、なんとみなさん、初めて会った私に、20分間静かににこにこされて、最後には会話をした方もいらっしゃいます。ホームのご担当もびっくりするくらいです。これはたった1度きりのご体験なのですがこうした効果がどなたにもあきらかに見られます。でも、正面からお顔と目を見て、お話しながら触れる、のはアロマの鉄則。いえ、ルールがあるからじゃなくて、そうしないとアロマの施術はできませんから。ユマニチュードを知らなくても、そうなっているのです。ちなみに、基材として使用したクリームはバッチ博士のレスキュークリーム®。それとの相乗効果もあったと思いますが、香りや花のエッセンスという物理的な自然物が、無意識に入りこんだり、手という私の肉体の一部が触れていくことでより接近し、深いところでのつながりを感じる安心感をもたらすのでしょう。  考えてみると、施術する私も、入居者様たちに見つめられ、触れられ、話しかけていただいていると感じているから、1対1のコミュニケーションとして成立するのですね。つまり、ユマニチュードのような知識や技法がない人にも、香りや花のエネルギーの助けがあると、そうした場を作ることができるのです。

そして、ユマニチュードの哲学は、 「あなたは人間である」。

 私はユマニチュードを学んでもいないし実践家でもありませんが、辛いニュースが次々聞こえる中、自分の自然療法の哲学として考えても重要な言葉だと思います。  私たちは生ある限り、人と、環境と、宇宙と、コミュニケーションをし続けているのです。もしできないとするならば、それは唯一、受け取り手が耳を閉ざしたときなのではないでしょうか?

イギリス・コーンウォールのエデン・プロジェクト

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